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D2Cから実店舗、そしてOMOへ~高まる実店舗の魅力とオンラインとの融合~

8 Jan 2020 ブログ

D2Cから実店舗、そしてOMOへ~高まる実店舗の魅力とオンラインとの融合~

 

セールが始まりましたが、すでにお目当ての品は購入されましたか?
昔なら、レジ前に列を作って、押し合いへし合いお買い物、が常識でしたが、今はこの質問から始まります。
「お買い物はネットでされますか?店舗に足を運びますか?」
総務省統計局が発表した「急拡大するネットショッピングと電子マネーの利用― 家計消費状況調査 2018年の結果から―」によりますと、ネットショッピングを利用した世帯は2018年に39.2%と2002年の5.3%から大幅に増加しています。
特筆すべきは40歳未満の世帯の62.4%がネットショッピングを利用しているということです。
店舗が開店する前に出勤し、会社を出るころにはお店が閉まっているという生活を送る私たちは、生活必需品だけでなく、あらゆるものをインターネットで購入する率が高くなっています。
そんな今、オンライン限定ブランドが、実店舗を構える流れも増えていることをご存知ですか?

 

D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)ブランドの台頭

 

特にアメリカで増えてきているのが、オンライン限定だったブランド(D2Cブランド)の実店舗進出です。眼鏡ブランドの「ワービーパーカー」、寝具ブランドの「キャスパー」などなど、オンラインから始まったブランドが実店舗を構え、続々とユニコーン企業の仲間入りを果たしています。
Business Insiderの報道によりますと、D2Cブランドの一つである米国の下着ブランド「サード・ラブ」は、実店舗は出さないという当初の計画を覆し、新規顧客獲得および顧客からの強い要望に応え、昨年7月にニューヨークにポップアップストアをオープンしました。実店舗では、「フィット・ファインダー」というアプリにアクセスし、実寸せずに顧客にとってベストなサイズを導き出すことができます。試着室では、照明の調整や、ボタンを押すだけで店員によるサポートやコンサルティングを試着室内で受けられるなど、ネットショッピングでは得られない付加価値をつけることで、店舗へ足を運ぶ顧客を増やすことを見込んでいます。
O2O(オンライン・トゥ・オフライン)という言葉がありますが、まさにD2Cブランドの実店舗出店の流れは、オンラインで顧客の興味関心を引きつけ、実店舗(オフライン)に導くというO2Oの好例です。

D2Cから実店舗、そしてOMOへ~高まる実店舗の魅力とオンラインとの融合~

OMO(オンライン・マージス・ウィズ・オフライン)の時代

 

先ほど、ネットショップを「オンライン」、実店舗を「オフライン」という言葉の使い分けをしましたが、オンラインとオフラインの融合を意味する、OMO(オンライン・マージス・ウィズ・オフライン)が中国を中心に浸透してきています。
OMOの世界では、商品を実店舗で買うか、オンラインで買うかは重要ではありません。スマートフォンによる決済が主要となった中国などを中心に進むOMOは、ユーザー行動をデータ化し集約・分析することで、より良いユーザー体験を提供することに重点を置いています。
OMOは、スマートフォンIDによる決済などを通じ、オフライン・オンラインを問わず、ユーザー行動をきめ細かに把握できるようになった場合に可能になります。
オンラインで買うか、実店舗で買うかは、顧客の都合により決めることであり、何より重要なのは、きめ細やかな顧客体験を提供することで、お客様の選択肢に常に入ること。OMOは究極のマーケティング戦略であると言えそうです。

 

より良い顧客体験の提供が成功のカギ

 

未来のコンビニと囃され、出店が相次いだ中国の無人コンビニは、大規模閉店が続いています。
安価に出店でき、人件費もかからないだけでなく、ビッグデータを活用し、顧客分析がしっかりできているのですから、失敗はしないと思われていた無人コンビニですが、文春オンラインの記事によりますと、わざわざスマホを取り出し、アプリを起動し店のロックを解除し・・・という作業が面倒だということで、無人店から顧客の足が遠のいてしまったとのこと。確かに他にも多くの店舗がある中で、入店から購入までに様々な作業が求められる無人コンビニを選択する理由が少ないことも納得です。
実際に無人店舗では有人店舗の1/3しか売り上げが上がらなかったという検証結果もあるようです。
顧客分析はできていても、そこから顧客体験を高めるという結果に結びつけられていなかったこと、出店地にどの程度のニーズがあるかを把握できていなかったこと、そしてやはり店員が全くいない状態では何か機械にトラブルがあった際に対応できないなど、無人コンビニ成功への課題は多いようです。
とある回転寿司屋さんでよく思うのです。
スマホを使用して予約し、決済はクレジットカードでしているので、本当はもう少しビッグデータを活用し、顧客の嗜好性を理解して、いつも頼むものをコンベアで流してくれたら良いのですが、なかなかそうはいかず、毎回オーダーすることになります。
ただ、注文履歴や嗜好をすべて分析され、好きなものが続々と流れ、不必要に「こちらもいかがですか?」と提案されたら、それはそれでどうなのでしょうか。
ここまでされたらいやだな、不気味だな、と思わせないように、うまくデータを活用し、より良い顧客体験を提供することがこれからの店舗には求められているようです。
どんなにステキなブランドでも、長い待ち時間、過剰、あるいは不十分な接客では顧客の足は遠のきます。
 テラーメイトも一ブランドとして、昨年よりもよりお客様とのつながりを深め、より良い顧客体験を提供することを今年の目標とし、努力したいと思います。
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